GAME1は双方ファイター多めの構成

1戦目のバンピックは上記のような形。並び替え前の順番をそのまま映しており、1stピックがGENのJGウーコン、ラストピックがHLEのSUPパンテオンという順序です。

パンテSUP以外はLCKでよく見る構成、特にこのWorldsではTOPレクサイの出現率がかなり高め。メタで汎用性が高めのチャンプがどのレーンもピックされており、BO5の1戦目ということで双方先ずはジャブの出しあい、といった様相です。その中にあってSUPのパンテオンは少し異例のピックというか、あまり見ないピックと言えますがエズリアルADCを見てから出しているのでCC力高めでしっかり殺せるように、という意図だったのかもしれません。

試合を決めたのはバロン裏のこのファイト。

ゴールド差を見ても分かるようにかなり拮抗した展開だったのですがバロンの視界取り合戦のさなかでZeusのレクサイがブラストコーンによって一人GEN陣営の囲んだバロンピットに飛ばされてしまってデスすることになり、4v5になった直後、CanyonのウーコンがブリンクからRで入ってエンゲージしたところをDuroのニーコがRでとどめのスリーマンスタンを決めてさらに3人を殲滅。JGであるPeanutのセジュアニだけ残されますがリコールを執拗にCanyonの邪魔されている間に他のメンバーがネクサスを割ってFIN。

Zeusのデッドは半分事故のようにも見えましたがバロン周りの制圧力の差によって生じた事故とも言えるのでこれもGENの実力とも言えそうです。

GAME2は試合時間約1時間のロングゲーム

バンピックは上図の様にブルーサイドのHLEがアジールを1stピックして始まりGENが最後にグウェンをピックする形で終了。メタ的に今旬なオリアナが空いてChovyのピックとなり、さらに安定感のある印象が強いCanyonのジャーヴァンがピックされたあたりで個人的にはHLEがきつそうな構成に見えました。

GAME2は約1時間と長いゲームでしたが小さな振れ幅のシーソーがオブジェクトごとに入れ替わる、典型的なシーソーゲームで緊迫感のある展開。その中でも大きな転換点に感じたのは上図の42分のシーン。HLE側がGENのTOPとSUPを落とし、JGもローヘルスで追い払った中で4人対2人でGEN本陣をシージしていたところ、ChovyのオリアナのショックウェーブからRulerのヴァルスの穢れの連鎖に繋がるコンボで一気に二人、MIDとSUPを落とされて退散させられるシーンがありました。

GAME2に限った話ではないのですが、このChovyとRulerの二人による圧が強すぎて全てのアクションが制限されてしまうというのが対GEN戦で相手側が感じる、最も嫌な点かと思います。必然的に後半戦を勝ち切るにはChovyかRulerを落とす当たり方をするしかなくなるのですが、生存能力が恐らく世界中の全LOLプレイヤーの中でも5本の指に入るであろうこの二人を落とし切らないと集団戦で勝ち切れない、というのは相手側にとって大きなプレッシャーとなります。

GAME2はこの後、試合時間57分頃、エルダードラゴン周りの視界の取り合いの中でジャーヴァンとノーチラスのCCが繋がりGEN側が3-0のキルトレードで集団戦を制し、そのまま本陣までシージしてFINとなりました。

GAME3は打って変わってHLE主導の展開

GAME3もブルーサイドはHLE。TOPのランブルの1stピックから始まりGENがADCにカイサをラストピックしてバンピックを締め括ります。個人的にはGEN側のバードがしっかりリフト全体を駆け回って存在意義を出し続けられるかどうか、という点とHLE側のMID:ZekaのヨネがChovyのビクター相手にしっかりとファームしてスケール負けせずに立ち回れるか、が見所と思っていました。ただ、ロングゲームを制して2-0にした後のゲームということもあり、流れがGEN側に傾いていないか、若干気がかりなところ。

しかし、ゲームが始まってみると序盤からHLEペースで試合は進みます。この20分頃まではそれでもやや拮抗した展開だったものの、この画像直後の集団戦位からHLEペースの流れが加速していきます。

ちなみにこの画像、HLEのJG:Peanutのトランドルが出したピラーでヘラルドのタックルを無力化されていてヘラルドは完全に仕事をさせてもらえず撃沈しました。トランドルのピラーやアニヴィアのウォール、バードのRなど、ヘラルドを無力化できるスキルをやっぱりプロはしっかりと実践してくるんだなぁと感心したので画像に残しておきます。

前述のヘラルドタックルの直後の集団戦の続きです。トランドルのCCをきっかけにラカンのRを絡めたエンゲージが決まりGENのスカーナーとビクターがまず落とされ、続くカイサとバードも落ちて4-0のキルトレードに繋がります。この集団戦を契機として、その後の集団戦はほぼ全てHLEが取る圧倒的な流れが形成されます。

終わってみればこのGAME3は22-6キル、約14Kのゴールド差をつけてHLEが圧勝する形となりました。なぜここまで差がついたのか不思議な気もしますがトランドルとラカンのCCチェーンが綺麗に決まっていたことと、ランブルとヨネが良い形で集団戦に参加できていたことが端的には勝因と思います。逆に、GEN側としてはバードが入っていることでどうしてもフロントが保ちづらいピーキーな構成となり、確定CCもほぼ無いことからディスエンゲージや戦場の制圧がし辛い構成になってしまっていた、というのが大きそうです。

LOLは本当にバンピックでガラッと展開が変わるのが面白い、と感じた1戦でした。

リバーススイープに繋がるのか?と期待させられたGAME4は、、、

まずバンピックは上図のような感じ。GEN側のユナラ1stピックからのHLE側のカミールラストピックで終了です。個人的にはノクターンが刺さりづらそうなGEN側の構成に感じたことと、スモルダーが育つまで耐えれるのかといった心配と、レオナのCCがGENのキャリー陣に届くのか?といった辺りの心配をバンピック時点では感じました。

個人的にはスモルダーが入った構成はあまり好きではないこともあり、HLE側にはもうちょっと違う構成を選んで欲しかったというのが正直なところ。

GAME4は特筆すべきところはあまりなく、気づけばあれよあれよとGENが有利を拡げて最終的には上図のような感じ。オブジェクトはほぼ全てGEN側に押さえられ、エルダードラゴン周りの視界を取りに行く過程でフェイのポークでオーロラが死亡し、それを契機にそのまま5-0のキルトレード。そのまま本陣制圧でFINという流れでした。どっちが上手い・下手という話以前に、構成差で試合が決まってしまった感が強い1戦でした。

ニダリーやフェイのポークに対して対抗手段がHLE側にはほぼ無く、オールイン系の手の短めのチャンプが揃っていたため、エンゲージしてインファイトをするしかない構成、と思うのですがカサンテ&アリスターが待ち構えており、さらにはユナラのWやフェイのEをかいくぐって良い形でオールインするにはエンゲージ要素がちょっと足りない構成だったように思います。バンピック負けというのは悔しくもありますが、これもまたLOLの面白い側面でもあります。

HLEのJG:Peanut選手はこの試合をもって現役引退

今年はHLEのPeanut選手が兵役のために今期限りで引退を表明していました。Peanut選手はルックスもプレイも大好きなプレイヤーの一人だったので本当に寂しい気持ちで一杯です。でも、本人はどこかやり切った感もあるのかな?GAME4が終わった後のこの表情がとても印象的でした。

ファンの中には号泣している人も。Peanutのラストファイトを見にWorlds会場を訪れていたファンも多いのではないかと思います。

Peanutという選手は今から9年前、ROXというチームに在籍していた時にWorldsで当時圧倒的な覇権を示していたSKT(現在のT1)を3-2とギリギリまで追いつめたことで一気に名前が売れたイメージがあります。実際、Peanut選手の駆るJGはリーシンを筆頭に常に存在感がありとても印象的でした。

間違いなくLOLの一つの時代を創って来てくれたプレイヤーだと思います。ありがとう、と共に、お疲れ様と言ってあげたい気持ちです。

2016年の映像なので今のようなスタイリッシュな雰囲気ではありませんが、それでも当時の熱量を感じられるプレイ動画を見つけましたので、もしも興味がある方はご覧になってみてください。

※上記動画は「EpicSkillshot – LoL VOD Library」さんより引用&紹介させて頂きました。

また、本日の試合、GEN対HLE戦の一連のプレイ動画は公式チャンネルより以下にて視聴可能です。