GAME1 KT:コントロール構成 vs CFO:ポークからのオールイン構成

GAME1のバンピックはこんな感じ。ブルーサイドのKTから1stピックはJGのウーコンを選択、最後はCFOがSUPのナミをピックしてバンピックは終了。KT側はMIDにタリヤとTOPのランブルといずれもオブジェクトファイトのゾーニングに長けたチャンプが並びます。他方CFOはオーロラとシンジャオで割とインファイト寄りの集団戦が強そうなイメージ。ポークに長けたコーキで牽制しつつオーンやナミのRにオーロラRを被せてオールインで場を制圧する、的な構成に見えます。

双方、思惑を持ってのバンピックだったと思いますが全体的な練度でKTは常に一歩上を行っていた印象。特にこの17分の3ドラ目を争ったシーンですがドラゴンを触るCFOのバックラインからタリヤが圧をかけつつフロントラインはドラゴンと戦闘中のシンジャオを囲み込む形。下がるに下がれないCFO陣営はドラゴンこそ獲得できたもののここで3-0のキルトレードを食らって大きくゴールド差を拡げてしまいます。

その後ゲームは32分まで続きますが、ゴールド差12K、オブジェクトもほぼKTが獲得する形で完勝。ここまで大躍進が続いたCFOですがLCKの上位チームが本気で挑むBO5にこれまでと違う圧を感じていたように見えます。
GAME2 LCK産のオリアナ+J4コンボは一味違う?

GAME2のバンピックは上図のような構成。ブルーサイドのCFOが1stピックでアジールを押さえるとレッドサイドのKTはオリアナ&ジャーバンを押さえ、ラストピックはSUPのノーチラスで締める形でバンピックを終えます。
CFOはキャリーラインであるHongQのアジールとDoggoのカイサが舞えるように、TOP・JG・SUPをタンク&CCで固めた構成に対してKTはオリアナMIDを軸にジャーヴァン、レネクトン、ノーチラスといった硬くてCCに長けたフロント陣とCCに強いADCシヴィアの組み合わせ。誰かが突っ込んでそのままオリアナのショックウェーブに繋げるだけで壊滅的な被害が発生し得るコンボを持ち、個々のCCも非常に強力な構成なので正直CFO側がなかなか苦しそうなピックに感じました。アジールのRでどれだけディスエンゲージできるか、なども重要な要素となりそうです。

このGAME2も終始KT優勢のペースで試合は進行します。象徴的だったのはこの21分のアタカン前の戦闘シーン。
KTが最初にアタカンを触りアタカンのデバフを受けてレネクトンのHPが3割ほど減っている状態。そこへ、上下から挟み込む形でCFOが挟撃します。

エンゲージはトップサイド側からアジールがQ⇒E⇒Rで最も育っているMIDのBdd選手のオリアナを封殺しようとしますがストップウォッチでかわされます。続いてラカンがRでKT全体を駆け抜けてチャームを付与して場を混乱しつつ、ボットサイドからDoggoのカイサを交えて一人ずつ落とそうと試みますが、、、

KTのフロントラインであるレネクトンとノーチラスは二人でこの4人の攻撃をしのぎます。レネクトンはRからのダブルブリンクでターゲットを受けた後にしっかりとアグロピンポンすることで殆どHPを減らすことなく、ほぼフルヘルスのノーチラスにフロントをチェンジし、その間にJGのジャーヴァンは悠々とアタカンをGET。

さらにそこから全員で反転して逆にCFOを全員倒してACEをもぎ取る、という流れ。この時点で完全にこのGAME2は終わった感じでした。しかし、ゲーム序盤から苦しい展開であるにもかかわらず、試行錯誤でしっかりと勝ちへの道程を探ろうと試行錯誤していたCFOには非常に好感が持てました。

前述のアタカンファイトの直後のこの表情。悔しさなども入り混じっての表情だと思いますが、一方で、厳しい展開の中でもこの大舞台でリミットテストであったり、いかに抗えるかをトライし続け、LOLを楽しんでいる雰囲気すら感じました。こういうチームはこうした悔しい経験も糧にしてまだまだ強くなるのではないかと思います。

そしてそのままGAME2はキルカウント21-4の大差でKTの勝利へ。3勝に向けて早々とリーチをかけます。
上図のダメージリストを見ても解りますが、今パッチのオリアナは非常にチームファイトに強く、特にLCKの上位ームのオリアナは本当に別次元、という印象を受けました。今後のノックアウトステージの別試合でも、このMIDオリアナとファイターJG(シンジャオorジャーヴァン辺り?)の構成は多々出てくる予感がします。
GAME3 双方のキャリーがロングレンジ構成での打ち合い

GAME3のバンピックは上図のような感じ。ブルーサイドのKTが1stピックでサイオンを押さえ、対するCFOはレクサイを返します。ラストピックはCFOがMIDのフェイをゾーイに当てる形でバンピックを終えます。

このGAME3は今回のマッチアップの中で最も拮抗していた1戦だったように思います。上図の20分近辺まではゴールドもオブジェクトも五分五分に近い状況。
ただ、CFOとしてはどうにかキルを集めたいADCのDoggoが0キルでお金が入らず、他方KTはキャリーラインのゾーイに3キル、ジグスにも3キルと6キル全てが良い形でキャリー陣に集まった点がこの後の展開を分ける要因となります。

上図はGAME3の最終版のシーンですが、結果として一番キルを持ったのはJGのヴィエゴとなります。が、これはゾーイとジグスというポーク力に長けたメイジが中盤育ったことであらゆるオブジェクトファイトでCFOはファイト前の睨み合いからヘルスが大分削られる形になり、それをヴィエゴが刈り取っていく、という流れによるものでした。
ただ、構成や展開による要因も少なくはなかったと思いますが、一番の決め手はやはりKTの全プレイヤーの練度の高さと精緻なマクロ、これに尽きると思います。特にMIDのBddはどのゲームにおいても大きな存在感でCFO全体に常に圧をかけていたように思います。今期のKTは本当にしっかりとコンディションを仕上げてきた、と言えそうです。
結果は3-0ながらここまでWorldsを沸かせてくれたCFOの今後に期待

ノックアウトステージという大舞台の雰囲気の中でスイスステージをトップ通過したKTとの対戦は正直CFOにはなかなかに苦しいゲームであったのではないかと思いますが、ゲーム中も常に試行錯誤し、葛藤しながらも楽しむ姿勢と表情を見せつつ最後まで闘志を見せてくれたCFOには本当に敬意と共に称賛の拍手を送りたい気持ちで一杯です。
日本と同じLCP選出のチームがT1を倒し、ノックアウトステージに進出し、トップチームと最後までしっかりと渡り合ってくれたことはLCPリージョンにとっても自信になりますし、特に今大会のCFOの戦いぶりはくじ運やフロックなどでは決してなく、本当に実力をもって世界のトップチームと渡り合う姿を本当に何度も見せてくれました。今後のCFOの活躍にも是非期待したいと思います。
※この試合は下記の公式Youtubeチャンネルより視聴できます。